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2005年 03月 21日
国立民族学博物館「きのうよりワクワクしてきた。 ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たち」を観る、というより体験する。この企画展のコンセプトについては、こちらを参照のこと。ものすごく丁寧に書いてある。 購入した図録によると、コンセプトの根源はレヴィ=ストロースの「野生の思考」にある。その典型的な行動形態である「ブリコラージュ(器用仕事)」とは、「ありあわせの道具や材料を用いて自分の手でなにかを作り上げる仕事のこと」をいう。そこに「自分の考えで表現すること」「みずからの痕跡を(人生を)のこしていくこと」を見出し、「現代人のかかえるアイデンティティ・クライシスや生きる意味の喪失感に対して、人間性の回復を訴える」ことを主旨とする。 その時々の状況や環境に応じて欲しいもの、整合性を持った必要なものを造るのではなく、既存のものを使う意味づけを度外視したモノづくりにより、自分の思想、嗜好、経験、根源的な衝動により「造る」ことを回帰させ、確立した自己やメッセージを発動させている。 展示空間はワンフロアを使って「家」をイメージしており、「駐輪場」「キッチン」「玄関」と名づけられた擬似的な生活空間で、出展アーティストたちが作品を並べている。図録によれば「多様な由来や背景をいったん棚上げにしながら、物の個性を肯定する空間」を試行錯誤した結果、「家」というイメージにたどり着いたらしい。「順路」と銘打たれているが、そのようなものがないぐらいに、動線が存在しない。設置してある展示物には座れるし、作品に触れることもできる。家で、座椅子に腰掛けテレビのリモコンをいじるような気楽さである。(無論一部、触れることもできないし、立ち入ることもできない部分もあるが、通常の特別展と比較すれば、展示作品との一体感は秀でている。) テルミンを演奏する女性が現れ、彼女の発する高音の叫びにも似た声による弾き語りがはじまる。演奏という領域を超えており儀式に通ずるものがある。それに呼応するかのようにあちらこちらでドラムや民族楽器のパフォーマンスが合わさり、さらながら音のブリコラージュの空間を造る。その中央で、音に身を委ねる者もいれば、淡々と雑誌の切り抜きに勤しみコラージュ作成に集中する者もいる。その状況を凝視し続ける者もいるが、私も、ここは空間に身を任せ、思考を停止して内なる表現する欲にすべての権限を譲りカメラと身体を一体化させることとした。まあ、これも一つの「参加」でしょ。 今回出展の障害のある人のモノづくりも見逃せない。服部正の著書「アウトサイダー・アート」にて若干の予備知識をもって、鑑賞に臨んだ。図録で、はたよしこが「彼らのモノづくりは、自分の心の中の出来事に実に忠実である。彼らは自分のスタイルを確立させて社会的な評価を受けることに関心はない。なぜなら彼らの動機はスタイル作りにあるのではなく、やむにやまれぬ心の必然にあるのだから。」と述べている。美術史や「主義」「派」とカテゴリ分けされた表現の文脈で作品を対峙することや視覚や観念に頼って作品を鑑賞することとは違った世界観がそこにある。また、「人の表現やモノづくりの様々な方法や知恵と、人の持つ底力への信頼を再発見することが、『今、私たちがこの時を生きる喜び』のヒントを与えるのではないか。それは言葉を換えれば、『アートの力』を言えるものだと私は考えている。」と述べている。 作者の素直な表現によるモノづくりは、作者の自分自身に対する潜在的信頼を観ている人間に伝える。その信頼の伝播は、さらに多くの人に自分の表現を回帰させるきっかけをつくるかもしれない。伊達伸明の「建築物ウクレレ保存化計画」は、思わず見入ってしまう。取り壊される建物の廃材を使って、ウクレレを製作している。「京大法経第1教室ウクレレ」や「扇町ミュージアムスクエアウクレレ」などあった。OMSのピックアップはかなりよかった。 そういや「生意気」がウロウロ歩いていた。ワークショップの最中だったのかな。 by stoneroses8010 | 2005-03-21 16:48 | arts全般
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