2005年 08月 29日

セミナーⅠ

神奈川へセミナーのために泊りで出掛け、文化政策におけるシンポジウムや発表などをいくつか聴講する。内容はどれを取っても専門的でかつ難解な用語が連続で発せられたため、素人に近い私としては、噛み砕くというよりも、その言葉の波をどう色付けして整理していけばよいかを考えることで必死であった。しかし、そんな頼りない私でも2,3の疑問にぶちあたる。

「地域における文化政策と教育・研究機関」についての発表及びシンポ。ここでは、文化政策という分野を大学で学問として取り扱い、どう学生に教育を実践しているのかという現状報告と地域というフィールドに学生が飛び込み、デザインソースを提供しながら地域とのつながりを強化する。その活動をいかに発展させていくべきか、またそれを通じて個人の能力をいかに創造的に発揮させることができるかという試行錯誤の実践の報告が主だった。

そのため、各大学ではインターンシップ制度を設け、学生をバンバン公立施設、企業などに送り込むことになる。そこで、大学は、学生に世の中がどういった問題を抱え、どうそれに対して解決を図ろうとしているのかを知って欲しいと狙いを持っている。正解を発見させるのではなく、実践方法を感じ取れといったメッセージ性である。事業の表面だけでなく、その裏側の税務、契約、事業の持つ付加価値などを様々な角度から見てこさせようとするのである。報告者もそういった願望を訴えていた。

しかし、ちょっと待って欲しい。インターンシップの受入れを過去に担当したことのある私としては、大学の願望とそれに対する処理の仕方に疑問を感じる。
大学がインターンシップ受入を要請するときは、だいたい、時期や人数を明記した事務文書が届き、こちら側がその可否を伝えるという「出前の注文」のような作業で終わる。そこに大学のメッセージ性はない。
私が担当した時は、施設を動かす表面だけでなく、裏の仕事も見せようと契約や打ち合わせ関連の事務も極力肌で感じられるようにしたが、学生にインターンシップの意義が伝わっていないのか上の空状態。
結局、イベントの手伝いをさせた時が一番嬉々とした顔をしており、「あー楽しかった」という小学生の夏休みの思い出のような経験とともに終わってしまうのである。
そもそも大学がインターンシップ受入をさせる2週間というスパンでタイミングよく、大学側が期待するような局面に遭遇することは稀である。
また、受け入れ側も、大学のメッセージ性が弱いためか、はたまた、「インターンシップ」という制度の不理解のためか、学生がやってくることに対して、ほとんどナメきっている。
「遊びに来たのだから、楽しい思いだけさせりゃいいや。なに、学生を評価しろだって。まあ、単位落とすのもかわいそうだし、いいように書いてやるか」
大学のメッセージ性の弱さ、学生のモチベーションの希薄、受け入れ側の不理解というこの三位一体が作用して、「インターンシップ」制度の発展を妨げているといっていい。2週間というショートスパンがさらにネックとなる。もちろん、すべてがそうであるとは言わないがそういった現状もあるということの理解は必要である。
私はこのシンポでインターンシップの意義を十分に理解することができた。この熱意を実際にインターンシップ受け入れを要請する際に、受け入れ側に伝えるような工夫をして欲しい。
おそらく、各大学がインターシップ制度を導入し始めて、10年も経っていないと思う。いまなら修正ができる。
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by stoneroses8010 | 2005-08-29 17:55 | 我思ふ


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