確証はない。それを信じるしかない。

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2006年 07月 03日

格好良過ぎ

とりあえず、備忘録として。

本日レクチャーで石内都の話を聴きに行った。
「マザーズ」「scars」「連夜の街」など、自分の母親の遺品、身体の傷跡をモチーフとして撮り続けている。初期のころは、古いアパートメントなど時間の染み付いた空間を撮り続けていた。

スライドやDVDを通じて、作品の解説が続く。
全体的な印象として、物質に存在していた「時間」「記憶」を再確認する作業として写真があると感じた。彼女は「臭い」とも表現していた。

写真を始めたきっかけは美大で織物に挫折して、たまたま友人が写真をやっていたから自分も独学でやってみたとのこと。当初関心があったのは己の足元を見る作業だった。それが、育った横須賀という街で、その場所に蓄積された「臭い」を撮り続ける。

しかし、彼女は初期にアパートメントや「連夜の街」を撮ることで自分の撮るものがなくなったと思ったらしい。
やがて40になったころ、自分の手をふと見たことがきっかけになって、自分と同じ年齢の人間の手足、身体を撮影することになった。それも身体に刻み付けられた逃れられない記憶。
身体を撮影し続けると今度は身体に傷跡が多いことに気づく。そうすると彼女は、傷跡をモチーフにしたものを撮り続ける。彼女の母も身体に傷があり、それも撮る。
彼女の母はやがてお亡くなりになり、今度は母の遺品を撮影し始める。

こうして見ると何かに導かれているように身体や建物などから、その物質に刻まれた記憶と時間に対するすべてに通じるテーマ性の大きさがわかる。

レクチャーのあと、飲み会があったので、ついていって、彼女と話する機会があった。
そこで彼女はこう言っていた。「最初に横須賀を撮っていたのも自分の傷を撮っていたのかもしれない」と。こういったらミーハーかもしれないが、久々に人の話を聴いて電撃が走ったのを覚えている。格好良過ぎ。

飲み会の後、酔いながらふと思った。逆に「時間」「記憶」のない世界とは何か。そんなものあるのだろうかと。

ここ二週間で飲み会7回。はやく寝よう。






①暗室作業が好きな彼女に、薬品や印画紙のことなどいろいろ聴いてみた。たとえば、相性など実験するのかと。すると、彼女は「そんな面倒くさいことはしない」とのこと。自分の納得するプリントこそがファインプリントだと。
②「デジタルはただの情報」とデジタル写真を一刀両断
③「フィルムはtri-Xのみ」 先日間違えてt-maxを買い使ってしまい一言、「あのフィルムは淡いだけ」
④「連夜の街」はものすごくヘビーな空間がモチーフだったので、長時間撮影して疲れないか聞いたところ、一回の撮影時間は「5分で撮った」とのこと。
⑤しかもそれが、「フィルム10本ぐらいを」とのこと。
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by stoneroses8010 | 2006-07-03 00:42 | photo


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