確証はない。それを信じるしかない。

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2005年 03月 03日

「サポーター制度」 さっさと次につなげましょ

神戸の王子動物園が動物サポーター制度というのを平成17年度からやるらしい。簡潔にいうと、広く浅く市民から出資を募ることによって、施設の運営や動物の世話の多額の費用を賄い、市民には入園料の無料化や支援者として施設に名前を残すといった特典を与える内容だ。それ以前には、2002年に北九州市到津の森公園が動物サポーター制度を取り扱っている。さらに、このサポーター制度は動物園だけでなく、ミュージアムにも早くから取り入れられていた。たとえば、ニューヨークのブルックリン美術館。そこでは作品のサポーター制度がある。ある一定の金額を出資した者に自分の選んだ所蔵品一点をサポーターとして名前を表示するのである。

公立の社会教育施設は、どこも財源の確保が厳しい状況となっている。こういったサポーター制度を導入したからといって、財源不足が補えるかといえばそうではないだろう。だとしたら、社会教育施設として、この制度の市民サービスの程度を問わねばならない。

この制度の良いところは、市民の施設運営への参加を意識させることが出来るという点である。市民ボランティアが活発となり、NPOのマネージメントも多様化を見せるなか、市民はなんらかの形で社会教育施設、福祉施設、環境保護団体などに身を投じるようになった。しかし、だれもが容易に時間や労力を際限なく費やせるわけではない。そこで、少額の出資により施設の運営を助ける手段を提供することで、市民のために施設運営の参加の道を作るということは市民ボランティアに対する欲求に応えるという点で、また最近流行りとなっている「市政参画」という点でも有意義だといえる。

しかし、一方で疑問も残る。「それでどうなる?」というものである。
特典として入園料の無料化や名前を残すということは、出資するわりには、「ありがたさ」がない。市民が体を投げ出してボランティアをするのも、公益のためという使命感もあるが、「ドキドキワクワク」感を伴った貴重な体験がしたいためでもある。施設の運営に参加することでいろいろな人と出会い、対話や交流を行い、価値観を刷り合わせることで新たな発見を得ることが、市民参画の、そしてボランティアの醍醐味であるのだが、それがこの制度にはない。

これがこの制度の限界だと思う。そこでこの制度は市民に対する一つの窓口を提供しただけに過ぎないと認識して、新たなサービスやソフトの開発へと方針を発展させるべきだ。それを怠れば、「ウチの施設はこういう制度で市民サービスを提供してます、財源供給の多様化を図ってます」という施設管理者の逃げ口上になってしまう。
こういった施設は「出会い」の演出が重要な鍵となっている。入園者数全国一となった北海道の旭山動物園は、「出会い」の工夫に力を入れている。この施設のハードの強みもその一因となっているが、結果から見てもこの「出会い」は無視できない要素といえるだろう。
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by stoneroses8010 | 2005-03-03 22:16 | 我思ふ


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