カテゴリ:我思ふ( 58 )


2005年 03月 29日

滋賀県立琵琶湖博物館 参加型研究

滋賀県立琵琶湖博物館という施設がある。「湖と人間」というテーマを持って、琵琶湖周辺の自然、歴史、暮らしに関する資料情報の収集、保存、活用する運営によって地域固有の資産を発掘することに成功している。近年、ミュージアム・マネージメントのあり方が議論されるなかで、「地域資源の発掘、見直し」は外すことのできない運営方法といえる。しかし、その「地域資源の発掘(琵琶湖のことを徹底して掘り下げているのか、スゴイですね)」にだけ目を奪われてしまうと、この施設の運営の狙いを見逃すことになる。では、その狙いとは一体どんなものか。

この施設は資料情報のストックを利用できるようにするということを応用して、利用者年齢層(ターゲット)を拡大させ、リピーターの確保に直結させる機能を充実させている。施設の中長期目標にあげられている「資料活用型博物館」として、資料の収集し、利用者の必要に応じて利用、活用できるようにしている。情報ストックの利用である。しかし、ただ利用できるだけならば、図書館で本を借りることと変わらない。そこで一歩踏み込んで、その情報を利用した住民が研究や調査を行い、その内容を発信する機会を施設側で確保している。飛び入りで参加できる「身近な環境調査」、任期を設定して継続的調査を行う「フィールドレポーター制度」、詳細な調査を学芸員と協力して行う「グループとの共同による研究調査」と3つの「参加型調査」という住民と協働の研究活動を行っているのである。これらの研究形態は参加者の敷居の高低やテーマの難易度を分けることで、どの年齢層にも参加できる仕組みを作っている。これらの研究に参加した人たちは、自分の調査がどのように整理され、発信されるのか気になるだろうし、発信されたものの中に自分の情報が生かされている喜びや新たな発見を得る楽しさを得ることが出来るだろう。そして、施設で蓄積された情報を利用しながら新たな調査内容に参加する意欲を持ち、施設の資料情報を利用して知識や理解を深めようとするのである。資料情報のインプットとアウトプット機能の循環がここにはある。

また、こうした協働調査の推進やインプット・アウトプットの循環は、多くの人間が接触し、「対話」する場所を作りつつある。研究発表の場を提供することや、「はしかけ制度」のように参加した住民が施設の企画・運営を行うことは、参加した人間の価値観をぶつけ合う機会を施設で作ることといえる。このぶつかり合いは、研究や企画に参加した個人の地域に対する関心を高め、地域資源の再発見しようとする意欲をかきたてる。その過程で理解と知識を深めた住民は次に施設と「対話」しようとするだろう。施設としても、それは願っているところで、住民と「対話」を経ることで地域の見直しや施設運営の使命、目標、達成基準、業績を磨き上げようとする。HP上の「中長期目標」に掲げている2015年の到達目標「対話支援型博物館」に向け着実に運営を進めていると言えるだろう。

地域と向かう合うという今やミュージアム・マネジメントの基礎となることを始点としつつ、「参加型調査」という人と知識が交差するシステムを作り、施設運営に参加する住民を増やし、「対話」させる。それにより、施設運営の「民度」とマネジメントの強化を図る姿がそこにある。マネジメントが暗礁に乗り上げている他の施設は「ウチでもやってみよう」と飛びつきたいところだろう。しかし、このシステム構築のプロセスを参考にするならまだ理解はできるものの、コピー運用は地域差があるため望ましくない。飛びつく前に、各々の施設や周辺地域、住民の意識を入念に把握して、地域ごとに応じた方法を吟味することから始めるべきだろう。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-03-29 22:16 | 我思ふ
2005年 03月 03日

「サポーター制度」 さっさと次につなげましょ

神戸の王子動物園が動物サポーター制度というのを平成17年度からやるらしい。簡潔にいうと、広く浅く市民から出資を募ることによって、施設の運営や動物の世話の多額の費用を賄い、市民には入園料の無料化や支援者として施設に名前を残すといった特典を与える内容だ。それ以前には、2002年に北九州市到津の森公園が動物サポーター制度を取り扱っている。さらに、このサポーター制度は動物園だけでなく、ミュージアムにも早くから取り入れられていた。たとえば、ニューヨークのブルックリン美術館。そこでは作品のサポーター制度がある。ある一定の金額を出資した者に自分の選んだ所蔵品一点をサポーターとして名前を表示するのである。

公立の社会教育施設は、どこも財源の確保が厳しい状況となっている。こういったサポーター制度を導入したからといって、財源不足が補えるかといえばそうではないだろう。だとしたら、社会教育施設として、この制度の市民サービスの程度を問わねばならない。

この制度の良いところは、市民の施設運営への参加を意識させることが出来るという点である。市民ボランティアが活発となり、NPOのマネージメントも多様化を見せるなか、市民はなんらかの形で社会教育施設、福祉施設、環境保護団体などに身を投じるようになった。しかし、だれもが容易に時間や労力を際限なく費やせるわけではない。そこで、少額の出資により施設の運営を助ける手段を提供することで、市民のために施設運営の参加の道を作るということは市民ボランティアに対する欲求に応えるという点で、また最近流行りとなっている「市政参画」という点でも有意義だといえる。

しかし、一方で疑問も残る。「それでどうなる?」というものである。
特典として入園料の無料化や名前を残すということは、出資するわりには、「ありがたさ」がない。市民が体を投げ出してボランティアをするのも、公益のためという使命感もあるが、「ドキドキワクワク」感を伴った貴重な体験がしたいためでもある。施設の運営に参加することでいろいろな人と出会い、対話や交流を行い、価値観を刷り合わせることで新たな発見を得ることが、市民参画の、そしてボランティアの醍醐味であるのだが、それがこの制度にはない。

これがこの制度の限界だと思う。そこでこの制度は市民に対する一つの窓口を提供しただけに過ぎないと認識して、新たなサービスやソフトの開発へと方針を発展させるべきだ。それを怠れば、「ウチの施設はこういう制度で市民サービスを提供してます、財源供給の多様化を図ってます」という施設管理者の逃げ口上になってしまう。
こういった施設は「出会い」の演出が重要な鍵となっている。入園者数全国一となった北海道の旭山動物園は、「出会い」の工夫に力を入れている。この施設のハードの強みもその一因となっているが、結果から見てもこの「出会い」は無視できない要素といえるだろう。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-03-03 22:16 | 我思ふ
2005年 02月 21日

改正道路交通法

免許の更新をした。
昨年、道路交通法が改正され、携帯電話等を手で保持して通話したり、メールの送受信のために携帯を手で保持して注視した場合の罰則や飲酒運転の罰則金の引き上げはよく知られている。

それに加えて、こんなことも改正されたのか。
○自動二輪車の高速道路等二人乗り規制見直し
○中型自動車・中型免許の新設

改正されたからといって個人的に生活に変化が出るわけでもないものはそうそう記憶に残らないものなんですね。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-02-21 20:39 | 我思ふ
2005年 02月 08日

大学淘汰の時代の中で・・・

本日のニュースにて。

<大阪>関大が新キャンパス構想 駅前に高層ビル

来るべき(いや、もう到来済みの)大学入学者数減少時代に対して、大手私立大学が学生を確保するために打った「囲い込み作戦」である。幼稚園から英語教育を取り入れ、中学、高校では授業が英語で進められるといったように、学校教育だけでなく、その周辺の多様な教育機関(たとえば、土日のみに通うアメリカンスクール)に対しても、遜色ないカリキュラムを設け、あらゆる教育形態を集積させようとしている。

しかし、どうにも違和感を受ける。国公立大学は法人化され、「効率性」や経営に対する努力が求められるだけでなく、「民業圧迫」としてその存在意義まで問われているなか、民間の多様な教育実践の場として期待されている私立大学が、学生確保を優先とした保守的経営に乗り出すのである。経営を維持することは組織として当然の策であるが、ビルに寄せ集めるだけというのはなんとも芸がない。新学部を作ることも、もはや一過性的な入学者数の増加しか見込めないことが証明されつつある状況である。小手先の経営戦略では先が知れている。だからこそ、これから入学してくる人間(つまりは、お客さん)の立場に立った経営が求められてくることは当然であるのだが、今回の関西大学の一件にそれが見えないのは残念なことである。
ちなみに同志社、立命館、関西学院も小学校の設置に乗り出したとのことである。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-02-08 23:06 | 我思ふ
2005年 01月 26日

最新大学周辺事情

先ほどまで、所用のため、久々に卒業した大学の図書館に行っていた。
気づいたのは、大学周辺の飲食店事情の変化。在学中はここにしかないだろうというよくわからんけど面白い店が並んでいたが、今は全国どこにでも行けばありそうなフランチャイズ店のオンパレードである。24時間開いているものもあり、学生にとってはメリットもあるだろう。100円ショップなどは下宿生には必要かもしれない。しかし、一方で一つの通りにファストフード店、フランチャイズ店があれほどまでも必要だろうか?と思う。卒業生としては久々に大学に出向いてまで、ファストフード店で食事をしたくない。卒業しても仲間内でいつまでも語り継がれるのは、そこにしかない多種多様な飲食店である。そういう店はある意味で大学の「色」であり、他大学と比較しあえる面白い個性でもある。どこにでもある風景を目にして、学生の感性は刺激されないし、そこにずっといようとも思わない。
コンビ二が2,3つ集中して並び、賃貸住宅サービスの出張所が向かい同士に明かりを点す。
今日、そうした光景を目にして、ちょっとした学生の地域コミュニティの崩壊を見たようでもの悲しくなった。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-01-26 20:56 | 我思ふ
2005年 01月 20日

弱気は最大の敵

目標を持って、それに向かって駒を進めようとしても、正直、ツライときもあるでしょう。そんなとき、津田恒美投手の「弱気は最大の敵」という言葉が心に染みる今日このごろです。
みなさん、負けてる場合ではありません。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-01-20 23:48 | 我思ふ
2005年 01月 19日

ポストイット

「西村 晃式 時間のムダを省く「ポスト・イット」情報整理術」を見てちと感心。
まあ、仕事によってはこの人ほど徹底的にする必要はないと思うが。
「興味を感じたことやひらめいたことは何でも「ポスト・イット」にメモするようにしている」ってのは、自分の感性のアンテナを常に立てておく緊張感を維持させる意味でも、なかなかいいかも。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-01-19 23:31 | 我思ふ
2005年 01月 05日

朝型人間

今朝、AM4時過ぎに起床。出勤までの間、読書などで時間をつぶす。これがおどろくほど頭に入り、様々な思索にふけることができる。個人的にもっとも頭が冴えている時間帯なのかもしれない。そういえば、以前嶋本昭三氏の講演を聴きに言ったのだが、そこで、氏は「午前三時という時間帯はもっとも頭が冴える。こういう時間帯に演劇やコンサートをやってほしい。」とおっしゃてた。実際に提案もしたらしいが、「そんな時間帯に客など入らない」という理由で一蹴されたそうだ。しかし、もしそんな公演があったなら、行ってみたいと思う。出勤前に演劇鑑賞とは、なんともおもしろい。
[PR]

by stoneroses8010 | 2005-01-05 20:07 | 我思ふ